クラウドの未来 超集中と超分散の世界 5章読了

今、会社の先輩から借りている「クラウドの未来─超集中と超分散の世界」を読んでいる。(数週間借りたままなのでそろそろ返さねば)

やっとこさ5章まで読んだので少し感想を。

クラウドの技術的なところはいくつかの本を読んで少しずつ理解しているが、ビジネス分野での状況はあまりよく知らない。2年前に「クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった
」を読んだが、はじめの方のSaaS,PaaS,IaaSの技術的な概要を興味を持って読んだが、クラウドのビジネスを取り巻く環境については、SalesForceAmazon EC2のサービスの状況くらいしか記憶に無い。

今読んでいるクラウドの未来─超集中と超分散の世界クラウドがもたらすパラダイムシフトが既存のサービスや製品に与える影響とその現状を述べているところが面白い。

5章はアメリカにおけるテレビ放送のクラウドサービス化の話だった。この話はグーグルテレビの(現状での)失敗が想起される。どの章でも既得権益を守りたい業界とクラウドサービス側の交渉についてが話題に上がるが、この章も例に漏れずこの交渉の現状を語っている。

クラウドに限らずだけど、インフラ、アプリケーションの技術が進歩してもそれがビジネスになるサービスとして提供できるかという壁があり、そのサービスを別の形で提供している業界に参入できるかという壁ってあるんだよね。
平たく言うと「こんな技術があるんだけど、これで新しいビジネスできるかな」という壁と「すでに似たようなことを別の形で提供している業界に参入できるのかな」もしくは「業界の独占しているリソースを開放してもらえるのかな」という壁があるということか。

自分はエンジニアで経営的視点が十分でないので間違いもあるのかもしれないが、ソフトウェアのライセンスでも同じことを感じる。「このライブラリがOSSになったらみんな利用してかなりこの分野は発展するのに!」とか。

でも作ったほうもその技術が飯の種な訳なので、オープンにはできない。ただ作ったほうもライセンス料下げるとかオープンにしたほうが、自分たちの技術が広がって発展するのも理解してて、バランスに悩んでるんだろうなとも思う。

そうはいいながらもクラウドの波は止められないので、

  • クラウドサービスの業界が、他の業界からコンテンツやリソースをもらう
  • 業界(たとえば放送業界)自体が自分たちでクラウドサービス始める

のどちらかになって、消費者はクラウドの恩恵を得られるんでしょう。
ただ後者だと世に出るのが遅くなりそうですが。

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